京蔵が行うSDGz 持続可能な開発目標

瀬戸内海は綺麗な海に変わり果てた

瀬戸内海は豊かな海じゃないって知っていますか?

当社の商品では瀬戸内海産のいりこ(カタクチイワシ)を使った出汁醤油が人気です。
しかし、その出汁醤油がだんだんと作れない状況にあります。理由はいりこが年々獲れなくなってきており、近年では不漁から漁師さんの廃業もたくさん耳にする様になりました。
地球温暖化の影響でだんだんといりこが獲れなくなってきているのかな?
 そう私たちは思っていました。
しかし、原因は違うところにありました。
漁師さんからは、瀬戸内海は綺麗だけど、豊かではない海になったのが原因だと知らされました。
「えっ!海が綺麗だったら、魚もたくさん獲れるのでは?」全く違った事実に衝撃を受けました。
その影響は、私たちだけではなく、瀬戸内海の豊かな漁場を糧にしている、全ての生産者達にも及んでいます。今のままでは、どんどん瀬戸内海は貧しい海となっていき、いりこ(カタクチイワシ)だけでなく、徳島県のわかめや海苔、広島県のカキもどんどん獲れなくなっていくおそれがあるのです。
 原因は、私達人間が堤防やダムを作ったり、排水処理場を作ったりした事が原因でした。
確かに、私たちは、災害を未然に防ぐ環境を望みました。しかしその代償として、山や排泄物からもたらされる自然の栄養素がほとんど流入せずに、魚の餌となるプランクトンが育たない瀬戸内海になっていきました。

「本来の自然ってなんだろう?」

私たちは当社の商品を通して、お客様に瀬戸内海の現状もお伝えしたいと思いました。
地元の漁師さんからは
  「海から魚がおらんくなった」
  「船を出すだけ燃料の無駄や!」
  「このままやったら、商売辞めるしかないわなぁ」


このような衝撃的な言葉しか返ってきません。
私達は、瀬戸内海でこの様な問題がおきつつある現状でも、守り続けたい味、守り抜きたいこだわりを通して、いつの間にか貧しい海になった瀬戸内海にも、関心を持っていきました。
漁師さんの顔も笑顔に変えたい。
そうすれば、私達もお客様も笑顔になるのではないかと思います。

「有限なる資源を守るために私たち一人ひとりができることってなんだろう?」
最後に地元の漁師さんに、その事について聞いてみました。

「うちらができる事やってないのに、あんたらができる事もないんちゃうか?
しいていうなら、せっかくの魚やから、大事に食べてほしいよなぁ」
貴重な命 貴重なお魚 海の恵み 自然の恵みを最後のサイゴまで余すことなくいただく。
当たり前と思わず、今あるものをいただけること、食べられること、に日々感謝する。
わたし自身も忘れがちですが、「いただきます」「ごちそうさま」に込められる想いを、感謝の気持ちを。
忘れてはいけないと思いました。

また同様の現象が、瀬戸内海だけではなく、日本中で発生しています。
  当社の昆布は全て北海道稚内産の利尻昆布を使用していますが、利尻昆布も海の栄養がない為に、年々薄っぺらい旨味の弱い昆布しかできないと嘆かれていました。 深刻ですね。
小さなことかもしれませんが、海の恵みを最大限いただく努力として
京蔵では、だしを引いた後に出る「だしかす」を捨てず、牛や豚が食べる飼料として利用しています。
他にも、「だしかす」を使って何か別の商品が出来ないかや、何か別の物に活かすことはできないかと日々試行錯誤し、より美味しい新商品開発、廃棄ゼロに向け、今できる事にチャレンジしています。

今後、わが社では瀬戸内海を綺麗な海から、豊かな海へと変わる方法を香川県の水産試験場と協議し、人間にとってではなく、魚にとって良い環境になるように支援していきたいと考えています。

漁師さんも、商品を作る生産者もお客さんもそして地球も、みんながHAPPYになる形でないと、今まで普通に作っていた物が作れない時代なのだと。
そう思い SDGz(持続可能な開発目標) 海の豊かさを守ろう!こちらのページを作りました。

「豊かな海へ」
いつかまた瀬戸内海にたくさんの魚達が。
いつかまた漁師さんたちのもとにたくさんの笑顔が戻ってくるように
当社ができる事に日々チャレンジしていきます。
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